2004 Fiscal Year Annual Research Report
心臓交感神経発達においてエンドセリン‐1‐神経成長因子が果たす役割の解明
Project/Area Number |
16790431
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
家田 真樹 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70296557)
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Keywords | 心臓交感神経 / エンドセリン-1 / 神経成長因子 |
Research Abstract |
心臓の活動は自律神経系により綿密に調節されておりその重要性はよく知られているが、これまで心臓の神経支配形成に関与する分子機構はほとんど明らかとされていなかった。本研究では心筋細胞をもちいた実験で、心筋内でエンドセリン-1が神経成長因子を特異的に誘導すること、そのシグナル伝達にETA受容体、Giβγ、PKC、src family、EGFR、ERK、p38MAPKを介することを明らかとした。心筋細胞と神経細胞の共培養を用いた実験ではエンドセリン-1刺激により心筋細胞から分泌された神経成長因子が神経細胞の分化を促進するという結果が得られた。またエンドセリン-1ノックアウトマウスを用いた検討では心臓内の神経成長因子減少に伴い、心臓内交感神経線維、ノルエピネフリン含量の減少とともに星状神経節の発達も障害されていることが示された。このエンドセリン-1ノックアウトマウスでみられた心臓交感神経系の発達障害は心臓特異的に神経成長因子を過剰発現することにより改善することが示された。以上の研究結果より心臓内でエンドセリン-1より誘導される神経成長因子が心臓交感神経系の発達に必須であることが示された。本研究は2004年にJournal of clinical investigationに発表され、また本研究の一部はAmerican Heart Association scientific meeting、Keystone symposia、日本循環器学会学術集会などの学会で発表された。
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Research Products
(1 results)