2005 Fiscal Year Annual Research Report
DDR1の慢性炎症性肺疾患における分子生物学的役割と治療への応用についての研究
Project/Area Number |
16790447
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松山 航 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (90372804)
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Keywords | シグナル伝達 / 免疫学 / 内科 |
Research Abstract |
我々はコラーゲンのレセプターであるDiscoidin Domain Receptor 1(以下DDR1)の特発性間質性肺炎における役割と治療応用の可能性について研究を行った。まず特発性間質性肺炎患者の肺胞マクロファージにおいてDDR1が過剰発現し且つP38MAPキナーゼを介した経路で特発性間質性肺炎における肺胞マクロファージのMCP-1産生やMMP-9産生に関与しその病態に深く関与することを発見し報告した(The Journal of Immunology 2005 174:6490-6498)。次に肺サルコイドーシスにおける肺病変の増悪にもDDR1が関与することを発見し報告した(American Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology 2005 33:565-573)。また、特発性間質性肺炎において肺線維芽細胞にもDDR1が発現していることを発見、そのDDR1が肺線維芽細胞のアポトーシス抑制にNF-κBを介して深く関与していることも発見し報告した(The American Journal of Pathology 2006 168:866-877)。さらにブレオマイシンを用いた間質性肺炎のマウスモデルにおいてDDR1の発現が誘導されることを見出し、DDR1に対するsmall interference RNA(以下siRNA)を作成し、このDDR1に対するsiRNAを経鼻的に投与することでブレオマイシンによるマウス肺の障害を抑制する作用があることをも見出し報告した(The Journal of Immunology 2006 176:1928-36.)。この方法は現在はマウスレベルではあるが今後人の間質性肺炎の治療に応用できる可能性もあり現在特許申請準備中である。
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Research Products
(4 results)