2004 Fiscal Year Annual Research Report
腎臓におけるV1a受容体を介した抗利尿ホルモン作用制御の機序の解明と治療法の研究
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16790466
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中山 裕史 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (00363531)
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Keywords | V1a受容体 / V2受容体 / プロモーター活性 / 転写因子 |
Research Abstract |
現在、培養細胞を用いて基礎的な研究を行なっている。まずV1a受容体のcDNAをクローニングし、発現ベクターにサブクローニングした。ついで培養細胞(LLCPK1、MDCK、COS-7、HEK293)にトランスフェクションすることにより強制発現に成功。これはまずラットのcDNAからはじめ,現在マウス,ヒトのcDNAからもクローニングを施行中である。さらにラット,マウスにおいてV2受容体のプロモーターをクローニングし、V1a受容体を強制発現させた培養細胞にトランスフェクションし、V2受容体のプロモーター活性が制御を受けることを検討中である。現在まで、すでにV1a受容体を細胞に発現させることで,強力にV2受容体のプロモーター活性が抑制されることを明らかとした。これは生体においてV1a受容体を介してV2受容体の発現が制御されていることを示唆するものである。現在V1a受容体を恒常発現する細胞系列の作成中で、今後は培養細胞にバゾプレッシンを作用させ、さらにV1a受容体に特異的な拮抗薬を用いることにより、抗利尿ホルモンのV1a受容体を介した直接作用についてさらに詳細な検討を行っていく予定である。V1a受容体とV2受容体のプロモーター活性の抑制関係が証明されれば、プロモーターベクターdeletion seriesやmutationを作成することにより、プロモーター領域において転写活性に直接影響する塩基配列の検討、すなわちプロモーター活性の制御にかかわるcensensus sequenceの解明を進めていく予定である。転写活性領域が判明後は、South-Western法を用いることにより、転写制御領域に結合する特異的な蛋白質(転写因子)のクローニングを行う予定である。さらに細胞内情報伝達機構の解明も並行して検討中である。
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