2004 Fiscal Year Annual Research Report
維持透析患者の動脈硬化性病変における酸化的ストレスの影響-血液透析患者血清中の酸化型・還元型アルブミンの解析
Project/Area Number |
16790472
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
福岡 利仁 杏林大学, 医学部, 助手 (70372919)
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Keywords | 血液透析 / 慢性腎不全 / 動脈硬化 / 酸化アルブミン / AGEs |
Research Abstract |
平成16年度、我々は研究計画に記載のとおり当院外来透析患者を対象に酸化型アルブミン(HNA)/還元型アルブミン(HMA)の血液透析による変化をHPLCを用いて検討した。血液透析患者ではHNA/HMA比(HMA%)が同年代の腎機能正常者と比べて有意に高く(59.6±8.9;n=13,vs.70.0±4.9,n=8;p<0.01)、このHMA%は3-5時間の血液透析施行によりほぼ腎機能正常者に近い値まで低下が認められた(59.6±8.9vs.76.0±8.4;p<0.0001)[Blood Purid 2004;22に掲載]。更に、血液透析そのものがアルブミンの還元に関与しているか否かを検討するため、透析濾過器(ダイアライザー)の前後の回路から採血を行いHMA%の測定を行ったが、ダイアライザー前後でのHMA%比は有意な低下を認めなかった。このことから、透析によりHMA%を増加させるアルブミン還元物質の関与が想定され、現在検討を行っている。 また、血中アルブミンの酸化と透析症例の動脈硬化性病変の関連を検討するため、ペントシジンを含めAGEsについても検討を行っている。血清酸化アルブミンとペントシジンは相関が示唆され、更に血液透析患者では、血糖とは無関係にアルブミンの非酵素的糖化が促進していることがわかった(2004年日本透析療法学会で報告)。これら酸化・糖化アルブミンが透析患者の動脈硬化性病変の進展に関与していることを証明するため、hsCRPなどの動脈硬化病変生化学マーカーやPWV/ABI測定、頸動脈エコーIMC(PS)など生理学的マーカーの双方を用いて検討を進めている。
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Research Products
(1 results)