2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790487
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 伸朗 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (10362344)
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Keywords | アルツハイマー病 / 血小板 |
Research Abstract |
血小板は末梢性のアミロイド前駆体蛋白(APP)、βアミロイド(Aβ)の主要な産生源である。また、Aβ代謝に関して脳と関連した変化を示す可能性があることが報告されており、アルツハイマー病(AD)の脳の病態を反映する末梢臓器として注目される。ADの生化学的診断マーカーとしての可能性を考え、血小板APP代謝異常を検出する方法ーWestern blot法による血小板APP ratio測定を16-17年度に検討したが、このマーカーによる診断の有用性は確認できなかった。17-18年度は、血小板APP代謝に関係する酵素である、血小板中のAPP βセクレターゼ(BACE1)の蛋白量と酵素活性を測定し、ADの末梢性の診断マーカーとしての有用性を検討した。 方法:薬物投与のないアルツハイマー病(AD)患者と非痴呆コントロールの各25例から採血、分離した血小板を用いた。1.BACE1蛋白量測定は、固相に抗BACE1 C端抗体をコート、検出用抗体は抗BACE 46-65抗体を用いたsandwich ELISA法を用いた。2.BACE1酵素活性は、ELISA同様の方法で固相にcaptureしたBACE1に、protease cleavageにより発光するAPP基質を作用させ、蛍光プレートリーダーを用いて、蛋白量20μgの血小板試料を測定した。 結果:1.BACE1蛋白量:血小板BACE1蛋白レベルには群間で有意差を認めなかった。2.血小板BACE1活性はAD群で対NC群比110%であったが、統計的有意差は認めなかった(NC群に対してp=0.4)。また酵素活性/蛋白量比にも有意差は認めなかった。 結語:昨年度に引き続き、血小板APP ratio変化の機序と推測される血小板BACE1の蛋白量と酵素活性の測定法の確立と、検討症例数を増やしての検討を行った。血小板BACE1活性は、ADで軽度の活性上昇を認めるものの、統計学的有意差はなく、現時点ではAD診断マーカーとしての有用性を確認できなかった。しかし、今後は、この測定系とトランスジェニックマウスなどを用いて、様々なAβ治療法の効果を反映するマーカーとしての可能性を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)