2004 Fiscal Year Annual Research Report
家族性筋萎縮性側索硬化症における変異SOD1特異的銅親和性の解析
Project/Area Number |
16790488
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長野 清一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40362727)
|
Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / SOD1 / 銅 / CCS / IMAC / システイン |
Research Abstract |
家族性筋萎縮性側索硬化症(FALS)でみられるCu, Zn-superoxide dismutase(SOD1)変異による発症機序として変異SOD1内の銅の関与が指摘されているが、その様態は明らかでない。SOD1活性部位への銅取り込みを司るcopper chaperone for SOD1 (CCS)はFALS発症には関係しないことが示されており、他の部位での異常銅結合が関与するものと推測されている。そこで我々はImmobilized metal affinity chromatography (IMAC)を用いて変異SOD1蛋白表面での銅親和性の変化を解析した。まず数種の変異SOD1マウス脊髄蛋白溶解液を用いて解析したところ、いずれの変異SOD1においても野生型SOD1よりも銅親和性が上昇していた。次に数種の変異SOD1発現神経細胞株を培養し、その蛋白溶解液で同様にIMACを行ったところ、変異蛋白の銅親和性の上昇が確認された。純化精製した変異SOD1のIMAC溶出パターンは野生型SOD1と同じであったが、この精製SOD1を野生型マウス脊髄溶解液と培養することにより、再び変異SOD1での銅親和性の上昇がみられた。このことより脊髄溶解液中の何らかの因子が変異SOD1の銅親和性を規定していることが推察された。変異SOD1での銅親和性責任部位を同定するため、銅結合能をもつアミノ酸であるシステイン残基をそれぞれ置換したところ、そのうちの1ケ所で変異蛋白の銅親和性が正常化することが見出された。次年度の研究計画に向け、この変異SOD1内システイン置換による神経細胞死の抑制効果などを検討中である。
|