2006 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性末梢神経障害で起こる疼痛はNa^+チャネルのクラススイッチによるものか?
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16790491
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
野寺 裕之 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (40363147)
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Keywords | 糖尿病性ニューロパチー / 神経原性痛み / ナトリウムチャネル / 無髄感覚線維 / 末梢神経 / クラススイッチ |
Research Abstract |
糖尿病性神経障害では、神経原性の痛みを伴う末梢神経障害(有痛性ニューロパシー)は多く見られるが、痛みの機序は未だ不明のことが多い。有痛性ニューロパシーでは、痛みを伝達する無髄感覚神経が異常発火することが痛み発生のメカニズムと考えられており、活動電位をつかさどるNa+チャネルの機能亢進が原因と考えられている。糖尿病モデル動物で、末梢神経Na+チャネルがクラススイッチすることが最近報告され、易興奮性の幼若化Na+チャネルの発現が痛みの発現に関与する可能性が示唆されたが、ヒトでも同様の機序が考えられ、治療への応用が期待される。しかしながら無髄感覚神経の機能評価は困難であり、理由として、腱反射、振動覚、筋力、一般の神経伝導検査など有髄線維機能を評価するものはすべて正常になることがあり、特殊な検査法が必要である。近年、皮膚生検により、表皮での無髄感覚神経を免疫組織染色にて形態的に評価する方法が発表され、侵襲の極めて小さい評価法として注目されている。過去一年間に我々は50例以上の糖尿病性神経障害患者から神経学的・電気生理学的・皮膚病理学的検査を行い痛みのある患者と無い患者の問で何が異なっているのかを調べている。神経学的所見と電気生理学的所見には有意な差は認められなかった。皮膚生検により無髄感覚神経を染色したところ、痛みの無い患者では無髄感覚神経の数が低下している例が見受けられたが、神経障害の進行した例であると思われる。ナトリウムチャネルに並んで最近注目されているバニロイド受容体の発現と痛みの関連に関しては、少数の例で発現の亢進が認められているが、さらに症例数を増やして今後検討していく。皮膚生検によりナトリウムチャネルのサブタイプであるNav1.8の皮膚での発現につき評価中である。
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Research Products
(3 results)