2004 Fiscal Year Annual Research Report
レヴィー小体病の認知機能に関する、前方視的・後方視的研究
Project/Area Number |
16790502
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
齋藤 祐子 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (60344066)
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Keywords | 痴呆 / 老化 / 脳神経疾患 / 神経科学 / 病理 / アルツハイマー病 / パーキンソン病 / ゲノム |
Research Abstract |
【目的】Lewy小体による認知障害発症機構、早期診断、予防への試みとして、Lewy小体関連軽度認知障害(mild cognitive impairment : MCI)の背景病理を追求した。【対象】高齢者ブレインバンク内、解剖承諾書の同意に基づき1995年1月よりDNAが保存され、apoE遺伝子多型解析が完了した、2003年12月までの1120開頭連続剖検例を対象とした。【方法】研究代表者と神経内科専門医一名が独立して病歴を検索し、CDR0.5で、年齢相応の物忘れあるいは認知障害の記載があり、記憶障害に基づく病気療養上の問題の既往がある例をMCI該当例として抽出した。一致すれば採用、不一致の場合、主治医への問い合わせ、主治医を通した主たる介護者へのインタービューを行った。神経病理学的検索に、ブレインカッテイングカンファランスにおける、臨床・画像と合わせた詳細な肉眼観察の上、代表的部位を、抗リン酸化タウ、Aβ、ユビキチン、αシヌクレイン、アポE4特異抗体を用い、Ventana NX20自動免疫染色装置を使用して検索、老化構造物を半定量化し、血管障害病変と併記した。【結果】170例がMCI相当症例として抽出、Lewy小体病変がMCIの主因と考えられ、パーキンソン症状の記載がない純粋型は7例、AD病変と併存するものが3例であった。男女比、平均年齢、apoEε4遺伝子頻度、Lewy小体スコアは、純粋型、AD合併型でそれぞれ、4:3と2:1、87.6と86歳、21.4%と0%、全例移行型と、移行型1例新皮質型2例であった。純粋型の1例に、死亡2年前より悪夢の既往があった。【考察】Lewy小体病変によるMCIの頻度は、痴呆疾患におけるDLB、AD+DLBの頻度から予想される症例数が存在した。新皮質型が、AD病変が併存しないと認めない点、睡眠異常を認める症例がある点が、新知見である。
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Research Products
(7 results)