2004 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカツメガエルの胚を用いた膵島分化誘導因子の単離・同定
Project/Area Number |
16790504
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
坂 信広 秋田大学, 医学部, 助手 (90333921)
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Keywords | ES細胞 / インスリン / グルコース応答性 / PDX-1 / EGFP / ノックインマウス |
Research Abstract |
膵幹細胞のマーカーと考えられる転写因子PDX-1の発現誘導が膵島への分化誘導において不可欠と考えられるが、PDX-1の発現調節機構に関しては殆ど明らかになっていない。また従来より、内胚葉の誘導には中胚葉との相互作用が必要だと考えられていたが、近年アフリカツメガエルの将来内胚葉となる植物極外植片(vegetal explant)を中胚葉が誘導される前に単離し培養しても植物極外植片にPDX-1が誘導され、また背側に局在して誘導されることが示され、植物極外植片にPDX-1発現誘導因子が内在すると考えられる。 平成16年度はすでに樹立しているPDX-1遺伝子のexon2のlocusにEGFP (enhanced green fluorescent protein)遺伝子(SA・IRES・EGFP・pA)をノックインしたES細胞株に、すでにプールに分割して作製しているアフリカツメガエルの前方中内胚葉cDNAライブラリー(CMVプロモーターの発現ベクター)をリポフェクション法を用いて遺伝子導入を行った。遺伝子導入後、蛍光マイクロプレートリーダーおよびFACS (fluorescence activated cell sorter)でEGFPが光るプールを探したが、結果として有意にEGFPの発現を誘導したプールを同定できなかった。 当初の研究計画にはなかったが、ES細胞から胚様体を形成させた後、レチノイン酸などで分化を進行させた段階でcDNAライブラリーの遺伝子導入を行っている。また、前方中内胚葉cDNAライブラリーをES細胞で安定に発現するCAGプロモーターのcDNAライブラリーを作製し直している。 来年度はさらに、LiClにより背側化した植物極外植片とUVにより腹側化した植物極外植片に発現する遺伝子をマイクロアレイによってサブトラクションを行い、両者の遺伝子発現に差のあるcDNAを単離・同定することを目指す。
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