2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790511
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
永井 竜児 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (20315295)
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Keywords | メイラード反応 / AGE / グリケーション / 翻訳後修飾 / 糖尿病合併症 / 動脈硬化症 |
Research Abstract |
生体には様々な翻訳後修飾の機構が存在するが、メイラード反応は特に糖尿病合併症、動脈硬化症といった加齢に伴って発症頻度が増加する病態との関与が強く指摘されている。申請者はメイラード反応後期生成物であるAdvanced glycation end products (AGE)の生成メカニズムを分子レベルで解析している。平成16年度の研究成果より、(1)AGE生成における主要な中間体として知られる3-deoxyglucosone(3-DG)からN^ε-(carboxymethyl)lysine (CML)とイミダゾロンが主要生成物として、また、ピラリンとペントシジンがマイナー産物として生成することを確認し、CMLとイミダゾロンは動脈硬化巣に顕著に蓄積していることから、動脈硬化病巣では3-DGによる蛋白のAGE化が進行していることが示された。(2)従来、CMLの生体内局在を検討する目的で、抗CML抗体である6D12が頻繁に利用されてきたが、本抗体はCMLのみならず、N^ε-(carboxyethyl)lysine (CEL)とも高い交叉反応性を示すことが明らかとなったため、新規にCML特異的なモノクローナル抗体(CMS-10)を作製し、免疫化学的なCML測定系を開発した。その結果、ヒトのレンズ蛋白にはCMLが加齢に伴って顕著に蓄積することが免疫化学的に証明された。(3)以前、申請者はglycolaldehydeから生成する新規AGE構造体としてGA-pyridineを同定し、本構造体が動脈硬化部位に蓄積することを報告している。今回、GA-pyridineが糖尿病性腎症の糸球体に蓄積し、さらにその蓄積度は病態の進行に伴って促進していることから、腎症の進展にはglycolaldehydeによる蛋白の修飾が関与していることが明らかとなった。
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Research Products
(13 results)