2004 Fiscal Year Annual Research Report
CXCL10/IP-10 DNAワクチンによる1型糖尿病発症の制御
Project/Area Number |
16790513
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鴫原 寿一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60317120)
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Keywords | NODマウス / CXCL10 / DNAワクチン |
Research Abstract |
まず、ラットCXCL10を発現するプラスミドDNA(pCAGGS-CXCL10)を作成した。培養細胞にtransfectionさせたところ、培養液上清中にCXCL10が分泌されたのをwestern blotにて確認した。このpCAGGS-CXCL10をマウスの前脛骨筋に筋注・電気穿孔法を用いて投与したところ、コントロールプラスミドDNA(pCAGGS-control)と比較して、有意なマウスの血清中に抗ラットおよび抗マウスCXCL10抗体の産生が認められ、数ヶ月間抗体産生が持続することを確認した。 次に、NODマウスの4、6週令時に、pCAGGS-CXCL10(n=23)あるいはpCAGGS-control(n=24)を投与し、糖尿病発症への影響を検討したところ、pCAGGS-CXCL10投与群において、有意に糖尿病発症は遅延・抑制された(26% vs. 58%,30週令:pく0.02)。 DNAワクチンでのCXCL10中和により、NODマウスの糖尿病発症が抑制される機序を検討するため、8、12、16週令での膵臓を組織学的に検討した。pCAGGS-CXCL10群とpCAGGS-control群の間で膵島炎の程度に有意差は認めず、膵島浸潤細胞にも違いを認めなかった。さらに、16週令において、膵臓および膵所属リンパ節でのサイトカイン(IFN-γ、IL-4、IL-10、TNF-α、IL-1β、TGF-β)、CXCR3の遺伝子発現量をRT-PCRにて半定量し比較したが、有意差は認められなかった。脾細胞の抗CD3抗体刺激あるいはGAD刺激によるサイトカイン分泌能、脾細胞および膵所属リンパ節におけるCD4+CD25+細胞分画も検討したが、両群間で有意な違いを認められなかった。
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