2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクス手法を用いたS100A12蛋白質の発現および作用機構の解明
Project/Area Number |
16790516
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
長谷川 隆正 関西医科大学, 医学部, 助手 (90351535)
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Keywords | S100A12 / THP-1細胞 / チアゾリジン誘導体 / プロテオミクス解析 |
Research Abstract |
S100A12蛋白質の発現調節機構をプロテオミクス手法を用い検討する。 申請者はこれまでにヒト由来マクロファージ細胞株(THP-1細胞)を用いS100A12 mRNAの発現を定量しIL-6で有意な増加を、一方、PPARγのリガンドであるピオグリタゾン添加で有意な減少を報告した(Atherosclerosis 171:211-218,2003)。まずこれらの因子に関わる調節蛋白質を明らかにするためにTHP-1細胞にIL-6またはピオグリタゾンを添加した後に、細胞より蛋白質を抽出し二次元電気泳動を行った。これにより明らかとなる発現量の増加または減少した蛋白質スポットを網羅的に解析するために、二次元電気泳動における蛋白質スポットの再現性・定量性を一般法とEttan DIGE法にて比較検討している。これらにより再現性のあるスポットをプロテアーゼ処理した後にマトリックス支援イオン化飛行時間型質量分析装置(MALDI-TOF MS : ABI社Voyager DE pro)を用いてペプチド・フィンガープリンティング(PMF)を行い、それらの情報をデータベース上のタンパク質/遺伝子配列と比較することで蛋白質を同定している。 これまでにピオグリタゾンを添加して増加した蛋白質としてclass B scavenger receptor (CD36)、activates liver X receptor-α(LXRα)などがしているのが確認され、一方、抑制された蛋白質としてS100A12を確認した。今後これらの再現性を検討した後に網羅的な解析を行い、DNAアレイを用いた遺伝子発現レベルでの変化を比較検討して未知の発現調節因子を検索予定である。
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