2005 Fiscal Year Annual Research Report
チアゾリジン誘導体の抗動脈硬化作用におけるアディポサイトカインの役割の解明
Project/Area Number |
16790521
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
佐藤 哲子 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 代謝研究部・臨床代謝栄養室長 (80373512)
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Keywords | チアゾリジン誘導体 / 抗動脈硬化作用 / 血管平滑筋細胞 / アポトーシス / 酸化ストレス / 食後高血糖 / レプチン / 単球・マクロファージ |
Research Abstract |
(1)血管平滑筋細胞に対するTZDsの抗動脈硬化作用 野生型マウスの血管平滑筋細胞(VSMC)を採取し、過酸化水素による酸化ストレスや断続的高血糖によるアポトーシスを誘導した。TUNEL染色やラダーアッセイによるDNA断片化の検討にて、このアポトーシスはTZDsにより濃度依存性に抑制されることを認めた。TZDsによりWestern blotにおいてBcl-xなどのアポトーシス関連蛋白発現も変化し、TZDsによりアポトーシスが抑制されることを確認した。VEGFによるVSMCの細胞増殖はTZDsにより抑制され、レプチンの同時添加によりTZDsによるアポトーシスや細胞増殖抑制は減弱した。レプチン受容体欠損db/dbマウスにてTZDsによるVSMCのアポトーシスや細胞増殖抑制作用を検討中である。 (2)血管平滑筋細胞におけるTZDsの抗動脈硬化作用におけるAMPKの関与 VSMCのAMPK (AMP-activated protein kinase)は、過酸化水素、酸化LDL等の酸化ストレスにより亢進する。TZDsやアディポネクチン投与にて、VSMCにおけるAMPKのリン酸化が亢進し、レプチンにてAMPKのリン酸化が減弱した。更に、VSMCにおけるTZDsによる細胞増殖抑制などの抗動脈硬化作用に対するAMPKの関与を検討中である。 (3)マクロファージに対するTZDsの抗動脈硬化作用 THP-1など単球系細胞にて、TZDsがCD36、SR-Aなどスカベンジャー受容体を調整し、MCP-1,MMP-9などの発現を抑制することを定量的PCRで認め、抗動脈硬化作用が示唆された。 (4)ヒトにおける食後高血糖是正による抗動脈硬化作用 2型糖尿病にて食後高血糖是正によりICAM-1、VCAM-1などの接着因子やhsCRPなどの炎症マーカーや尿中80HdGなどの酸化ストレスマーカーが低下した。
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Research Products
(1 results)