2005 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞の増殖・分化における局所調節因子としてのアンジオテンシンIIの分子機構
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16790522
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
菅波 孝祥 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (50343752)
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Keywords | AT1b / 受容体 / 2型アンジオテンシン受容体 / 高脂肪食 / 肥満 / 脂肪組織 / 交感神経活動 / AT1受容体拮抗薬 |
Research Abstract |
AT1a欠損マウスの代謝変化には他の受容体サブタイプが関与している可能性が想定されるため、AT1a欠損マウスにAT1受容体拮抗薬を投与することにより交感神経活動におけるAT1bの関与を検討した。またAT2欠損マウスに肥満の誘導を試み、表現型を解析した。 8週齢雄性AT1a欠損マウスと野生型C57BL/6マウスに通常食下でAT1受容体拮抗薬であるバルサルタンを2週間投与した。AT1a欠損マウスの体重は、バルサルタン投与群、非投与群の間で経過中に有意差を認めなかった。野生型マウスの収縮期血圧は、バルサルタンの投与により有意な低下を認めた。AT1a欠損マウスは野生型マウスと比較して著しい血圧低下を認めたが、バルサルタンの投与によりさらに低下傾向を認めた。AT1a欠損マウスの尿中カテコラミン排泄は、非投与群では野生型マウスと比較して有意な増加が認められたが、バルサルタン投与群では非投与群と比較して有意に減少していた。以上より、AT1a欠損マウスで認められる交感神経活動亢進の少なくとも一部はAT1bを介している可能性が示唆された。 6週齢雄性AT2欠損マウスと野生型C57BL/6マウスに8週間の通常食あるいは高脂肪食負荷により肥満の誘導を試みた。通常食の場合には、AT2欠損マウスと野生型マウスの間に体重の明らかな差を認めなかった。高脂肪食負荷により、野生型マウスでは体重と脂肪組織重量の著しい増加が認められたが、AT2欠損マウスでは増加が有意に抑制された。直腸温は、通常食、高脂肪食のいずれにおいても両者の間に明らかな差を認めなかった。AT2欠損マウスでは、野生型マウスと比較して呼吸商の低下が認められ、脂肪利用の亢進が示唆された。以上より、AT2もエネルギー代謝調節に関与していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)