2004 Fiscal Year Annual Research Report
心房性ナトリウム利尿ペプチドによる樹状細房を中心とした免疫調整作用の解析
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16790536
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森田 林平 京都大学, 医学研究科, 研究員(科学技術振興)(常勤形態) (00362541)
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Keywords | cGMP / 樹状細胞 / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / NO |
Research Abstract |
ヒト単球はin vitroで樹状細胞に分化する際心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体であるGC-Aを発現する。本研究では先ず実際のヒト血液中及びリンパ組織中の樹状細胞にもGC-Aが発現しているか否かの解析を行った。 1.樹状細胞は大きく骨髄系とリンパ系に分類される。何れも未刺激ではGC-Aを発現していないが、GM-CSFやIL-3のサイトカインやLPSやCpG等のTLRリガンドで活性化させるとGC-Aを発現することがRT-PCRとFACS解析にて確認された。特に活性化リンパ系樹状細胞(pDC)ではGC-Aが強発現していることがFACS解析にて明らかとなった。一方GC-A発現誘導メカニズムは明らかとなっておらず今後の課題である。 2.ヒト扁桃の新鮮凍結切片を用いて免疫組織染色を施行した。GC-A陽性細胞を濾胞外領域に認め、共焦点レーザー顕微鏡にてこれらの細胞の一部がCD123陽性であることより、pDCのGC-A発現をin situでも確認出来た。骨髄系マーカーとの共発現の確認は今後の課題である。 3.CpGによる活性化pDCのIFN-α産生に於けるANPの影響をELISAにて確認した。その結果ANPは濃度依存的にIFN-α産生を抑制することが明らかとなった(以上投稿準備中)。 ANPの作用はセカンドメッセンジャーのcGMPにより齎されており、NOも同様に多くの作用をcGMPを介している。上記のANPのpDCに与える作用を解析する一環としてNOとcGMPアナログのpDCに与える影響を解析した。その結果NOとcGMPアナログはCpGによる活性化pDCのIRF-7の発現を抑制することでIFN-α産生を抑制することが判明した。更にNOの作用を受けたCpG活性化pDCはナイーブCD4^+T細胞の分化をTh2に極性化させる結果が得られた(投稿中)。
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