2004 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンB12反応性メチルマロン酸血症の病因遺伝子の単離および変異解析
Project/Area Number |
16790565
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂本 修 東北大学, 病院, 助手 (20333809)
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Keywords | メチルマロン酸血症 / ビタミンB12 / アデノシルコバラミン / メチルマロニルCoAムターゼ / MMAA / MMAB |
Research Abstract |
メチルマロン酸血症はメチルマロニルCoAムターゼの障害により生体内にメチルマロン酸およびその代謝産物が蓄積する有機酸代謝異常症である。メチルマロニルCoAムターゼはビタミンB12(コバラミン)の誘導体であるアデノシルコバラミンを補酵素とする。そのためメチルマロン酸血症はメチルマロニルCoAムターゼそのものの遺伝的欠損とムターゼの補酵素であるコバラミン(ビタミンB12)の代謝系の障害に大別される。さらに後者は相補テストなどでcb1A、cb1B、cb1Hの3型に分けられる。2002年にcb1A、cb1Bの原因遺伝子(MMAA、MMAB)が単離された。今回我々は日本人ビタミンB12反応性メチルマロン酸血症患者10例において変異解析を行い、変異スペクトラムの欧米人患者との比較を検討した。 尿中有機酸分析にてメチルマロン酸血症と診断され、B12存在下の測定系でムターゼ酵素活性が回復した10症例を対象とした。相補性テストは施行していないため、cb1A、cb1B,、cb1Hのいずれの型かは不明である。患者家族の同意のもとゲノムDNAを抽出しMMAA、MMAB両遺伝子の翻訳領域にあたる全エクソンの塩基配列をシークエンスした。 10人中7人にMMAA遺伝子に変異が認められたが、残り3人においてはMMAA、MMABともに変異は見いだせなかった。MMAAに認められた変異(R22X、R145X、L217X、R359G、503delC)はいずれも新規の変異であった。また503delC変異は5人の患者(ホモ接合体3名、ヘテロ接合体2名)で認められ、日本人に特有の高頻度変異と考えられた。これらの結果から日本人患者と欧米人患者では変異スペクトラムを異にすることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)