2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790566
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐々木 綾子 山形大学, 医学部, 助手 (60333960)
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Keywords | 先天性中枢性肺胞低換気症候群 / PHOX2B遺伝子 / ポリアラニン伸長 |
Research Abstract |
先天性中枢性肺胞低換気症候群(Congenital central hypoventilation syndrome;CCHS)は,睡眠時の低換気もしくは無呼吸を特徴とし,明らかな循環・呼吸器疾患,神経節疾患,代謝性疾患,先天奇形などが除外された症候群である.2003年,AmielらはCCHS29症例を検索し,19症例にPHOX2B遺伝子のポリアラニンの伸長やframeshiftの変異を見い出した.我々も病因を特定するために日本人を対象としてCCHS単独発症の7症例とHirschsprung病を合併していた3症例を対象とし,RET-GDNF情報伝達系(RET,GDNF,GFRA1), EDN-EDNRB情報伝達系(EDN1,EDN3,EDNRB),RET発現調節因子群(PHOX2A,PHOX2B,HASH-1)およびBDNF遺伝子を病因候補遺伝子として変異の有無について検索し,RET-GDNF情報伝達系ではRET遺伝子変異を3症例に,GFRA1遺伝子変異を1症例に認めた.また,RET発現調節遺伝子群ではPHOX2A遺伝子変異を1症例に,PHOX2B遺伝子でのポリアラニンの伸長変異を4症例に,frameshift変異を1症例に,HASH-1遺伝子変異を2症例に認めた.その後,さらに3症例を追加し,PHOX2B遺伝子でのポリアラニンの伸長変異を2症例に検出した.PHOX2B遺伝子の変異を半数に認め,CCHSの発症にはPHOX2Bの変異が重要な役割をしていると推測された. しかし,他の報告と比較しポリアラニンの伸長頻度に差を認めるため,今後はさらに,症例数を重ねると同時に検出方法についても検討していく.
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