2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子治療を併用した造血幹細胞移植における治療効果判定方法に関する研究
Project/Area Number |
16790567
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 崇史 筑波大学, 人間総合科学研究科, 講師 (00338782)
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Keywords | 遺伝子治療 / ドナーリンパ球輸注 |
Research Abstract |
造血幹細胞移植後に遺伝子導入リンパ球を輸注した患者の免疫能の再建過程を評価するため、リンパ球を分離し、(1)表面抗原抗体で各種リンパ球の亜分画の定量、(2)トリチウムサイミジンを用いたりンパ球増殖反応(同種抗原、カンジダ抗原、水痘抗原、サイトメガロウイルス抗原)、(3)サイトメガロウイルス、EBウイルスに対するMHCテトラマー解析、これら免疫学的回復の評価の方法論の再確認を行い、安定した検査システムを確立できた。 平成16年12月に筑波大学では「同種造血幹細胞移植後の再発白血病に対するHSV-TK遺伝子導入ドナーTリンパ球を用いたドナーリンパ球輸注療法(TK-DLT)の臨床研究」による遺伝子治療1例目を経験した。そこから得られる臨床データおよび臨床検体をもとに、HSV-TK遺伝子を導入したリンパ球の機能評価を上記の方法で検討した。患者およびドナーのHLAが特殊であったため、テトラマー解析は施行できなかった。また、遺伝子治療後早期に再発してしまったため、ドナーリンパ球輸注後の免疫能の回復は確認できなかったが、経時的に上記検査を行うことは可能であった。現在の遺伝子治療対象症例も増加しており、今後も臨床検体を用いた解析が期待できる。 本研究が対象とする臨床研究は白血病の再発予防・ウイルス感染発症予防を目的として遺伝子導入リンパ球輸注とHLA不適合造血幹細胞移植を併用する遺伝子治療臨床研究であり、予防的なドナーリンパ球輸注であるため免疫学的回復の評価はより解析が簡潔になることが期待される。 本研究のうち、臨床研究に関する事項は全て学内倫理委員会の審議を受けた。また、臨床検体・臨床データを使用するにあたり、インフォームドコンセントを得ている。
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