2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイとBACコンティグを用いた神経芽腫発症の分子機構の解析
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16790568
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
滝田 順子 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00359621)
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Keywords | 神経芽腫 / がん抑制遺伝子 / 遺伝子増幅 / LOH / DNAアレイ / MYCN遺伝子 |
Research Abstract |
腫瘍細胞で高頻度に観察されるゲノムの増幅・欠失・LOHなどの変化は、しばしば腫瘍の発症や進展と密接な関連を有することよ知られており、これらの異常を網羅的に解析することは腫瘍の多様な分子機構を解明する上で有力な手段と考えられる。そこで本年度は神経芽腫細胞株25株、新鮮腫瘍5例につき、12〜25万個のSNP特異的オリゴヌクレオチドプローブを搭載した(Affymetrix【○!R】Gene Chip【○!R】 100kおよび500k array)を用いて、平均5.4〜24kbの解像度で腫瘍ゲノムに生じたコピー数の変化およびLOHの解析を行った。アレイ解析の結果、複数の検体で共通して認められる欠失・増幅を起こしている領域内については、PCR-SSCP法、直接塩基配列決定法およびreal-time PCR法を用いて、その標的遺伝子の探索を行った。解析した細胞株25株中24株と新鮮腫瘍の5例中1例で従来より知られているMYCN領域の増幅を確認し、このうち数株でMYCNの近傍に新たな増幅シグナルを検出した。またこれまでに報告のない領域の増幅も複数検出された。NBで従来より欠失の報告がある1p36領域は細胞株20株中10株、新鮮腫瘍5例中1例で検出され、また同様に従来より報告のある17qの増幅も細胞株20株中12株、新鮮腫瘍5例中2例で検出された。これ以外にもLOHやアレル不均衡、およびホモ欠失が多数検出された。以上の結果より、神経芽腫で最も共通して認められるゲノム変異はMYCN領域の増幅であったが、近傍にはこれまでに報告のない複数の増幅領域が存在することが判明した。また17q全てを含む広範囲な増幅の頻度が高かったことから、17q全体のゲノムの量的変異がNBの発症や進展に関与している可能性が示唆された。更にLOHおよびホモ欠失が多数検出されたことから、神経芽腫の発生・進展には複数の遺伝子が関与することが示唆された。
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Research Products
(4 results)