2004 Fiscal Year Annual Research Report
HGF(肝細胞増殖因子)を用いたAlport症候群の遺伝子治療法の検討
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16790570
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊東 達雄 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40345533)
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Keywords | Alport症候群 / HGF / 遺伝子治療 / エレクトロポレーション |
Research Abstract |
1)筋肉へのHGF遺伝子導入による血流を介したHGFの腎障害進展に対する抑制効果の検討。 1.hHGF遺伝子の発現期間の検討:RT-PCRによる発現期間の検討では、hHGF遺伝子の筋肉での発現は、エレクトロポレーション法では約3週間持続すると考えられた。 2.遺伝子導入によるCol4a4ノックアウトマウスの腎症への効果の検討:まず遺伝子導入を1回のみとして検討した。4週齢に遺伝子導入した群では、尿蛋白/クレアチニン比は、12週齢で無治療の対照群と比べ有意に抑制された。光顕でも、hHGF遺伝子導入群で、12週齢での半月体形成は対照群に比較して有意に抑制され、線維性変化をきたした糸球体も少なかった。しかしながら、8週齢に遺伝子導入した群では、尿所見、病理組織所見共に対照群に比較して差を見い出されなかった。以上から早期の遺伝子導入によるHGFの効果が認められた。 2)腎皮質へのHGF遺伝子導入によるHGFの腎障害進展に対する抑制効果の検討。 1.hHGF遺伝子の発現期間の検討:RT-PCRによる発現期間の検討では、hHGF遺伝子の皮膜下での発現は、エレクトロポレーション法では筋肉への導入と同様、約3週間持続すると考えられた。 2.導入遺伝子の腎皮質での発現の局在:遺伝子導入後、LacZ遺伝子の発現部位をX-gal染色を用いて検討した。皮質表層の間質に導入遺伝子を認め、糸球体には導入されなかった。 3.遺伝子導入によるCol4a4ノックアウトマウスの腎症への効果の検討:4週齢、8週齢遺伝子導入群ともに尿所見、病理組織所見共に対照群に比較して差を見い出されなかった。筋肉への導入法に比べ、侵襲が強い方法であること、左腎のみの遺伝子導入であったことが、効果を得られなかった原因とも考えられた。 17年度は、筋肉へのHGF遺伝子の反復導入による腎障害進展に対する抑制効果の検討を計画している。
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