2004 Fiscal Year Annual Research Report
B型肝炎ウイルス(HBV)S領域変異株に注目したHBVワクチン早期投与の評価
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16790578
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
村上 潤 国立大学法人鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (90362889)
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Keywords | HBV母子感染 / 国際方式 / HBs抗体価 |
Research Abstract |
平成9年4月から平成13年9月までに、B型肝炎母子感染防止措置を施行した児のうち、国際方式で予防措置を行った8例と、それ以外の方法で予防措置を行った76例について、獲得したHBs抗体価を比較した。各予防措置プロトコールの詳細は、国際方式:HBIG1回(出生時)、HBワクチン3回(日齢5、生後1,3ヶ月)、旧厚生省方式(母がHBe抗原陽性):HBIG2回(出生時、生後2ヶ月)、HBワクチン3回(生後2,3,5ヶ月)、旧厚生省方式(母がHBe抗原陰性):HBIG1回(出生時)、HBワクチン3回(生後2,3,5ヶ月)、早期方式:HBIG回(出生時)、HBワクチン3回(生後1,2,4ヶ月)と4つに分かれた。HBワクチン接種時、HBワクチン終了後1-2ヶ月、生後9,12ヶ月時、その後は半年毎にHBs抗体価を測定した。 全例でHBV母子感染を防止できた。国際方式のHBs抗体価は、生後4-5ヶ月時に中央値39.0COIで、生後12ヶ月時に中央値23.0COIまで低下していたが、HBV母子感染予防には十分な値と考えられた。生後4-5ヶ月時点で他のプロトコールと比較すると、HBIG1回の旧厚生省方式と早期方式が中央値27.0COI、早期方式が中央値28.0COI、HBIG1回の旧厚生省方式が中央値23.0COIと、いずれも国際方式の方が高値となった。生後12ヶ月時点でHBIG1回の旧厚生省方式と早期方式が中央値67.0COI、早期方式が中央値68.0COI、HBIG1回の旧厚生省方式が中央値55.0COI、HBIG2回の旧厚生省方式が中央値32.0COIと、いずれも国際方式の方が低値となった。 生後12ヶ月以降のHBs抗体価の推移については今後さらに検討し、HBV母子感染防止に十分であるかどうかを検討していく予定である。
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Research Products
(3 results)