2005 Fiscal Year Annual Research Report
小児白血病におけるマトリックスメタロプロテアーゼと予後:新たな予後因子の発見
Project/Area Number |
16790581
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
住江 愛子 九州大学, 大学病院, 助手 (80335968)
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Keywords | 小児急性リンパ性白血病 / マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP) / 内因性MMP阻害因子(TIMP) / 白血病細胞株 / リアルタイムRT-PCR法 / ELISA / Invasionアッセイ / 予後因子 |
Research Abstract |
【研究目的】 a.乳児急性リンパ性白血病(ALL)における白血病細胞に発現しているマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)および内因性MMP阻害因子(TIMP)の遺伝子の発現と細胞生物学的特徴との関連を検討することにより、MMPおよびTIMPの予後因子としての意義を解明する。 b.白血病細胞株におけるMMPおよびTIMPの遺伝子発現量とタンパク量および機能との関連を検討する。 【結果-a】 初診時に肝脾腫を認める症例においては認めない症例に比較して、白血病細胞より産生されるMMP2/TIMP1比およびMMP2/TIMP2比が有意に高値であった(p=0.005,p=0.009)。また、初診時に中枢神経浸潤を認める症例においては認めない症例に比較して、MMP2/TIMP2比が有意に高値であることが明らかになった(p=0.01)。白血病細胞より産生されるMMPおよびTIMPは髄外浸潤の成立に関与していることが示唆された。 【結果-b】 リンパ球系細胞株(L)は骨髄球系細胞株(M)に比べて、TIMP2遺伝子発現量が有意に高値(p=0.024)、 MMP2/TIMP2,MMP9/TIMP2遺伝子発現量比は有意に低値であった(p=0.001,p=0.01)。また、LはMに比べて、上清MMP2およびTIMP1タンパク量が有意に低値(p=0.036,p=0.0082)、TIMP2タンパク量は有意に高値(p=0.013)であった。遊走率<20%の細胞では>20%の細胞に比べて、TIMP2遺伝子発現量が有意に低値であり(p=0.01)、MMP2/TIMP2,MMP9/TIMP2遺伝子発現量比は有意に高値であった(p=0.024,p=0.029)。
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Research Products
(6 results)