2004 Fiscal Year Annual Research Report
チアノーゼ型成人先天性心疾患における血管内皮機能異常に関するメカニズムの解明
Project/Area Number |
16790601
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
姫野 和家子 久留米大学, 医学部, 助手 (70289437)
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Keywords | チアノーゼ / 血管内皮機能 / 成人先天性心疾 |
Research Abstract |
1.インフォームドコンセントの得られた成人チアノーゼ型心疾患を有する患者15人と正常コントロール人5人に対して,血管内皮機能と血液生化学検査を施行した。 2.Strain gauge plethysmographyによる血管内皮機能検査では,上腕動脈の駆血後の反応性充血反応と,ハンドグリップによる血流増加反応をそれぞれ評価した.反応性充血とハンドグリップのいずれの反応においても,正常コントロール人と比較しチアノーゼ型心疾患患者の血管反応は有意に低下していた.また,この反応はSpO_2と有意な正の相関を示した.すなわち,チアノーゼの程度が強いものほど,血管内皮機能は低下していた.また,上腕動脈の反応性充血による反応と,ハンドグリップによる血流増加反応は,有意な正の相関を示した. 3.血液生化学検査では,血管内皮機能に影響を与える可能性のある因子を測定し評価した.赤血球数,ヘモグロビン,ヘマトクリットと血管内皮機能との間に負の相関を認め,多血症の程度が強いほど血管内皮機能は低下していた.また,血管内皮活性化の指標となるintercellular adhesion molecule-1(ICAM-!)と血管内皮機能との間に負の相関を認め,shear stressと血管内皮機能との関連が示唆された.その他,エンドセリン,トロンボモジュリン,von Willebrand因子,尿中NO,エリスロポエチン,malondialdehydo-modified low-density lipoprotein(MDA-LDL),8-hydroxyguanosine(8-OHdG)に関しては,血管内皮機能との間に有意な相関は認められなかった.
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