2004 Fiscal Year Annual Research Report
スフィンゴ脂質の細胞外マトリックス関連伝子の制御機構について
Project/Area Number |
16790621
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山中 正義 群馬大学, 医学部, 助手 (30323364)
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Keywords | sphingosine kinase / collagen / NF-κβ / c-Jun |
Research Abstract |
【目的】近年Sphingosine Kinase (SPHK)は、PDGF,VEGF,TNFα,TGFβなどの成長因子により誘導され、種々の細胞内シグナル伝達機構に関与することが明らかになってきている。既にSPHKがtranforming growth factor-β(TGF-β)により誘導され、TIMP-1遺伝子発現を制御していることを報告したが、細胞外マトリックスの主役であるコラーゲン遺伝子発現に関する報告は少ない。今回我々はSPHKのI型コラーゲン遺伝子発現に与える影響について検討した。 【対象ならびに方法】今回の実験にはすべて正常皮膚線維芽細胞を使用した。transient transfection法によりSphingosine Kinase-1(SPHK1)遺伝子を過剰発現した細胞と、RNAi法によりSPHK1遺伝子発現を抑制した細胞のI型collagen遺伝子転写活性をCAT assay法により測定した。更にSPHK1遺伝子を過剰発現させた細胞のNF-κβ、c-Jun活性を測定した。 【結果】SPHK1遺伝子を過剰発現させた細胞ではI型コラーゲン遺伝子の転写活性は抑制され、RNAi法によりSPHK1遺伝子発現を抑制させた細胞ではI型コラーゲン遺伝子の転写活性は増強された。また、SPHK1遺伝子を過剰発現させた細胞ではNF-κβ、c-Jun活性が亢進していた。 【結論】SPHK1は正常皮膚線維芽細胞においてI型コラーゲン遺伝子の転写活性を抑制的に制御することが明らかになった。その制御にはNF-κβ、c-Junなどの転写因子の関与している可能性が示唆された。
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