2005 Fiscal Year Annual Research Report
全身性強皮症における線維化関連遺伝子のDNAマイクロアレイを用いた検討
Project/Area Number |
16790628
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
白崎 文朗 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (10313644)
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Keywords | 線維化 / TGF-β / CTGF / ケモカイン |
Research Abstract |
今年度も、ケモカイン遺伝子の持続的な線維化に及ぼす影響を、我々が以前作製した、マウス皮下にサイトカインを注入するのみで持続的な線維化を誘導するモデルマウスを用いて検討した。TGFβ単独投与で形成された一過性の線維化組織とTGFβに続けてCTGFを皮下投与して生じた持続性の線維化組織のケモカイン遺伝子発現量を、real-time PCR法を用いて比較検討した結果、CCL2(MCP1)の発現量が後者で約4倍増加していた。この結果を受けて、今年度はMCP1欠損マウスにTGFβとCTGFの皮下注射を行い、線維化が誘導されるかどうかを検討した。実際にMCP1欠損マウスでは、線維化が約半分しか形成されず、このモデルマウスで作製した線維化におけるMCP-1の重要性が確認された。 さらに、TGFβとCTGFで誘導される線維化へのケモカインの関与を検討するため、培養ヒト線維芽細胞にTGFβあるいはTGFβとCTGFを添加し、24時間後の遺伝子変化をDNAマイクロアレイ法で比較検討した。I型コラーゲンα1鎖の24時間後の発現は、TGFβ添加群がコントロールと比較し1.7倍の増加であったのに対し、TGFβとCTGF添加群では2.2倍の増加であり、CTGFのコラーゲン遺伝子発現に対する相加効果が確認された。ケモカインでは、CCL4(MIP1β)、CCL17(TARC)、CCL24(Eotaxin2)が、TGFβ添加群に比べてTGFβとCTGF添加群では2倍以上の発現増加が認められた。一方、CCL2(MCP1)はいずれの群でも発現増加がみられなかった。今後、他の遺伝子も含めて検討を継続していく予定である。
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