2005 Fiscal Year Annual Research Report
メラノーマにおけるMITF-Mを用いた抗腫瘍効果の検討及び色素上皮由来因子の関与
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16790632
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
北村 玲子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (50311692)
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Keywords | メラノサイト / MITF / メラノーマ |
Research Abstract |
背景 小眼球症関連転写因子MITFはメラノサイトと網膜色素上皮細胞の両方の分化に影響する遺伝子の代表であり、なかでもMITF-Mアイソフォームはメラノサイトおよびメラノーマのみで特異的に発現されている。さらに近年MITFはメラノサイト及びメラノーマにおいて、アポトーシス抑制因子であるBcl-2を介して細胞増殖に関わっていることがわかってきた。我々はメラノーマにおけるMITF-Mの機能に着目し、次にMITF-Mの発現を阻害し細胞増殖との関わりを検討した。 1,リコンビナント融合蛋白の作製 MITF-MのcDNAをRT-PCRにて増幅し、これをもとに細胞質内に大量の蛋白を効率よく導入するためのHIV-TATドメインとMITF-Mおよびdominant negative MITF-Mの融合蛋白をコードするプラスミドを作成した。続いて大腸菌を用いて融合蛋白を大量に産生して精製した。 2,メラノーマに対する効果の検討 次にin vitroでのB16melanoma細胞株におけるMITF-M蛋白およびdominant negative MITF-M蛋白の影響を検討した。具体的にはB16メラノーマ細胞の培養液中に作製したMITF-M蛋白およびdominant negative MITF-M蛋白を添加し、cell viability及びメラニン産生を検討したところ、viabilityに明らかな差はみられなかったが、MITF-M蛋白導入した細胞ではメラニン産生が多く見られる細胞が散見され、dominant negative MITF-M蛋白導入した細胞ではメラニン産生の低下した細胞が多くみられた。
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