2005 Fiscal Year Annual Research Report
DFS70抗原の皮膚表皮細胞と皮膚疾患における役割について
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16790635
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉浦 一充 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70335032)
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Keywords | DFS70抗原 / 抗DFS70抗体 / アトピー性皮膚炎 / 外毛根鞘 / 顆粒層 / TNF-α / 抗p80抗体 / 細胞質局在 |
Research Abstract |
DFS70抗原は我々の膠原病研究グループが世界に先駆けて同定した核内抗原ですべての臓器に存在するが,最近の我々の研究では表皮において蛋白発現レベルが高いことが明らかになっている。その後の解析で抗DFS70抗体はアトピー性皮膚炎(AD)の3割近くの患者に検出され,この抗体陽性のAD患者は顔面皮疹を有することが多いことがわかっている。我々は抗DFS70抗体,DFS70抗原についての研究を進め,昨年度と今年度,以下の内容を含む論文を4編発表した。1)多数健常人において同抗体陽性者にADの既往が多かった(Arthritis Rheum 50)。2)外毛根鞘においてDFS70抗原は核内ではなく細胞質に存在する(J Autoimmun 23)。3)DFS70蛋白質内の自己免疫エピトープを明らかにした(J Autoimmun 23)。4)抗DFS70抗体は抗p80抗体(ADの自己抗体)と同時出現することが多い(J Autoimmun 26)。さらに,最近我々は2種類のポリクローナル抗DFS70抗体を作製し,それを用いた免疫組織化学法により,正常ヒト表皮においてDFS70抗原が有棘層上層から顆粒層の細胞質に多く存在することを発見した。それに対してヒト表皮培養細胞HaCaT,あるいは有棘細胞癌(in vivo)においては,従来の報告通り核内に存在することを確認し,国際学会で発表した(9^<th> International Workshop on Autoantibody & Autoimmunity at Gainesville, Florida, September, 2005)。また,HaCaTにおいて,DFS70はTNF-αにより発現が上昇し,末梢血単核球あるいは扁桃においてもDFS70とTNF-αは相関することを観察した。
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