2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790638
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
波部 幸司 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (50324538)
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Keywords | 神経 / バニロイド / 皮膚 / 受容体 / 感覚 / 知覚過敏 / アトピー性皮膚炎 / マウスモデル |
Research Abstract |
表皮細胞におけるバニロイドレセプター発現を明らかにするために、ヒトの表皮細胞の初代培養系を確立した。さらに、分化表皮細胞としてヒト扁平上皮癌細胞株SCCを培養し用いた。既報の配列情報に基づいてヒトTRPV-1,-2,-3,-4,-5,-6,-8,TRPM-1,-2各分子のプライマーをデザインし、これら培養ヒト表皮細胞よりmRNAを分離し、PCRにて増幅解析した。その結果、ヒト初代培養表皮細胞でTRPV-1,TRPV-2,TRPV-3,TRPV-4,TRPV-6,TRPM-2の発現を見出したが、TRPV-5,TRPV-8,TRPM-1の発現は見いだせなかった。分化表皮細胞株SCCではTRPV-1,TRPV-2,TRPV-4のみが検出された。以上の結果よりヒト表皮細胞では、TRPV-1,TRPV-2,TRPV-4の発現が認められると考えられた。一方、皮膚における持続的な炎症と知覚の過敏を示すアトピー性皮膚炎(AD)の皮膚でのバニロイドレセプターの発現の検出を試みた。ADモデルマウス(KCASP1Tg)皮膚でのバニロイドレセプターmRNAの発現を同様の手法で検出し健常マウス皮膚での発現と比較した。その結果、健常マウス皮膚ではTRPV-1,TRPV-2,TRPV-3,TRPV-4,TRPV-6,TRPM-1の発現がみられたが、TRPV-5,TRPV-8,TRPM-2は認められなかった。一方ADモデルマウスでは、TRPV-2,TRPV-3,TRPV-4,TRPV-6,TRPM-1の発現が健常マウスより増強しており、さらにTRPM-2の発現をみた。以上の結果より、アトピー性皮膚炎では、皮膚の炎症によりバニロイドレセプター発現が亢進し、皮膚知覚過敏を引き起こし、病態の形成に関与していることが推測された。以上の結果を日本皮膚科学会総会2006年6月に発表予定である。
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