2004 Fiscal Year Annual Research Report
上皮細胞間接着における新規分子Calminの機能解析
Project/Area Number |
16790643
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高石 樹朗 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10303223)
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Keywords | 上皮細胞 / 細胞間接着 / calponin homology domain / siRNA |
Research Abstract |
我々が単離したCalminは、N端にCalponin類似のアクチン結合領域とC端に膜貫通領域を持つタンパク質である。ヒト上皮株細胞であるHaCaT細胞やA431細胞を用いて検討した結果、Calminは上皮細胞において細胞間接着を構成する新規のタンパク質であることが示唆された。本研究の目的は、Calminが上皮細胞内で相互作用をするタンパク質を同定し、Calminが関与する細胞間接着の分子機構を明らかにすることである。この目的に従って今年度は以下の研究を行った。 (1)BacterioMatch II Two-hybrid System (Stratagene)を用いて相互作用するタンパク質の単離を試みた。スクリニング用のbaitとして、Calminタンパク質を3つの領域(N端;1〜301、中間;291〜643、C端;626〜972)に分けて調製した。N端をbaitとしてスクリーニングした結果、Smoothelinが単離された。Smoothelinは371アミノ酸から成るタンパク質でC端側に単一のcalponin homology (CH) domainを持つ。腸管平滑筋や血管平滑筋で発現が強く、幾つかの研究結果からα-smooth muscle actinとの関連が示されている。Western法により、A431細胞においてもSmoothelinの存在が確認されたが、CalminとSmoothelinとの関連については現在検討中である。このシステムによるスクリーニングについては、今後も継続して行うこととする。 (2)上皮接着装置を構成するタンパク質に対する抗体を用いて、免疫沈降によるCalmin結合タンパク質の探索を行っている。 (3)合成siRNAを用いた研究では、Calminタンパク質の有意な発現抑制作用が見られたが、細胞接着への影響は確認できなかった。さらに強力な抑制作用を期待して、アデノウイルスベクターを用いたsiRNA発現系の確立とプラスミドベクターに由来するsiRNAを安定に発現する細胞株の樹立を試みている。
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