2005 Fiscal Year Annual Research Report
メラニン合成蛋白質とRab7における細胞内輸送機構の解析
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16790650
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
廣崎 邦紀 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00363705)
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Keywords | メラノニン / メラノソーム / Rab蛋白質 / Rab7 / チロシナーゼ / GTP結合蛋白質 / 小胞輸送 / チロシナーゼ関連蛋白質 |
Research Abstract |
低分子GTP結合蛋白質であるRab蛋白質はエキソサイトーシス,エンドサイトーシスを含む細胞内小胞輸送に重要な役割を担っているとされ,哺乳類細胞では60種類以上のRab蛋白質が同定されている.Rab蛋白質はGDP結合不活性型,GTP結合活性型の2つのコンフォメーションの相互転換により活性が調節され,不活性型は細胞質に,活性型は膜に存在する.Rab蛋白質はエフェクター蛋白質を含む相互作用蛋白質を介してtethering/docking/fusion複合体を形成し,アクチンや微小管上のモーター蛋白質を制御することにより,それぞれ特異的な単数または複数の細胞内小胞輸送を制御している. Rab7は後期エンドソーム,リソソームに存在し,これらの輸送や他の小胞との融合に関与することが知られている.これまでにRab7のエフェクター蛋白質としてRab-interacting lysosomal protein, Rab7-interacting ring finger protein, hVPS34/p150,プロテアソーム a-サブユニットXAPC7が同定されている. 我々は最近,精製したメラノソーム分画中にRab7が存在し,メラニン生合成に重要な役割を担う蛋白質であるチロシナーゼ関連蛋白質1(tyrosinase related protein-1 ; TYRP-1)のメラノソームへの輸送にRab7が関与する事を報告した.チロシナーゼ(TYR), TYRP-1,チロシナーゼ関連蛋白質2(TYRP-2)はメラノサイトに特異的に発現し,メラノソームに局在する酵素蛋白質である. メラノソーム形成に伴うTGNからメラノソームへの輸送過程において,最も未解決の点を有している蛋白質の一つがgp100/Pme117/Silvである. 本研究は,複雑なメラノソーム形成過程を一つ一つ明らかにする目的で,yeast two-hybrid法を用い,色素産生ヒトメラノーマ細胞株であるMMAcにおけるRab7と相互作用する蛋白質の検索と同定を行った.その結果,野生型Rab7とRab7-Q67L(活性型)がgp100と特異的に相互作用することを見出した.
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