2004 Fiscal Year Annual Research Report
DS-Nhマウスを用いたNarrow band UVB照射のTh2型T細胞への影響
Project/Area Number |
16790656
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
前島 英樹 北里大学, 医学部, 助手 (50296456)
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Keywords | Narrow band UVB / アトピー性皮膚炎 / Th2 / IgE / Ncマウス |
Research Abstract |
これまでアトピー性皮膚炎患者にNarrow band UVB(NBUVB)照射療法を行い,血清IgE値の低下と臨床症状の改善からその有効性と有用性を報告してきた。そこで今回DS-NhマウスやNcマウス等皮膚炎モデルマウスを用いてNBUVB照射療法の有効性の機序を解明する目的で実験を行った。初年度は、先行実験としてDS-Nhマウスの代わりにNcマウスをまず使用し、臨床症状の推移と血清IgE値の変動を指標にNBUVB照射の基本条件設定を行った。Ncマウスをコンベンショナル環境下で飼育し,皮膚炎発症後にNBUVB照射群と非照射群に分け、血清IgE値と臨床症状の推移を観察している(実験継続中)。血清IgE値は,個体差はあるものの平均5.17ng/mlから46.99ng/mlへ経時的に上昇し,皮膚炎を発症した。隔日に38mW/cm^2のNBUVB照射を行い,引き続き血清IgE値をモニターしているが,現在のところ760mW/cm^2では有意な血清IgE値の変動はみられない。しかしNBUVB照射群では対照群と比較して明らかに臨床症状の軽快を認めている。現在,NBUVB照射量を3倍に増量し臨床症状もより軽快しており,実験中である。また今後,血清IgE値の減少がみられた時点で,経時的に生検を行い,組織中ないしは末梢血中のサイトカインレベルやT細胞の局在につき照射群と非照射群で比較していく。次年度は,本年度の結果に基づき皮膚炎発症前から、NcマウスにNBUVBを照射し,照射群と非照射群との発症率の異同・血清IgE値、臨床症状の経過を追うと共に,DS-Nhマウスを使用し,上記2実験と同様の実験を行う予定である。
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