2005 Fiscal Year Annual Research Report
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬の抗うつ効果を予測する
Project/Area Number |
16790674
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 契造 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (60323151)
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Keywords | 大うつ病 / 重症度 / 治療反応性 / 遺伝子多型 / BDNF |
Research Abstract |
我々は、「大うつ病性障害(DSM-IV)と診断され、Montgomery and Asberg depression rating scale (MADRS)の得点が21点以上の患者を試験に導入する。ミルナシプランを1週目まで50mg/day、以降は100mg/dayの用量で6週間にわたり投与し、抑うつ症状の変化をMADRSを用いて評価する。PCR法を用いて遺伝子型を決定し、高速液体クロマトグラフィーを用いてミルナシプランの血中濃度を測定する。」という計画に基づき、サンプルの収集および得られた解析の結果を進めつつある。 BDNFその他の遺伝子多型とミルナシプランの臨床効果との関連性については現在検討中であり、興味深い結果が得られつつある。さらに詳細な検討を加えた上で発表する予定である。遺伝薬理学的検討と平行して、臨床的観点からの検討をも行っている。ミルナシプランの重症うつ病に対する効果は十分検討されていないため、我々は、大うつ病患者に対する重症度別の治療効果について検討した。80名の患者を、MADRSスコア31点以上の重症度群(n=25)、25〜30点の中等症群(n=30)、21点から24点の軽症群(n=25)に分類してMADRSスコアの改善率を検討した。その結果、重症群および中等症群では、軽症群に比して有意に改善率が高かった。ミルナシプランは、中等症から重症の大うつ病患者において優れた抗うつ効果を発現するものと考えられた。
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Research Products
(1 results)