2004 Fiscal Year Annual Research Report
末梢血を用いた双極性障害患者における時計遺伝子発現パターンの検討
Project/Area Number |
16790679
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
玉置 寿男 山梨大学, 医学部附属病院, 助手 (60345709)
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Keywords | 概日リズム / 時計遺伝子 / 気分障害 |
Research Abstract |
計画では健常被験者と気分障害被験者の末梢血から分離したPBMC (peripheral blood mononuclear cell)における時計遺伝子の発現を比較する予定であったが,本年度はまず健常被験者を対象に実験を行った. 時計遺伝子の発現は睡眠覚醒リズムや食事摂取などの外的要因により大きく影響される.一日の採血では意味のあるデータが取れない可能性があるため,一人の被験者から同じ時間に複数日採血することにより外的要因によるデータのばらつきを排除することとした。はじめに一般より男性健常被験者として5名を募集した.1〜2週間の期間を設け,その間被験者には可能な限り同一のパターンで生活してもらい,自記式の睡眠覚醒リズム表に記録してもらった.採血については期間のうち任意の3日間に1日2回(午前8時と午後8時)の採血を行った.血液サンプルからPBMCを分離し,PBMC中での5種類の時計遺伝子(hPer1,hPer2,hbmal1,hDec1,hCRY1)の発現量を外部の業者に受託解析を依頼しreal time RT-PCRで現在解析している. データについては同一被験者における3日間の採血で時計遺伝子の発現パターンに再現性があるか,異なる被験者間で時計遺伝子の発現パターンに類似性が見いだされるか,などについて検討する.来年度は,午前8時と午後8時で明瞭に発現量が変化し,かつ,同一被験者内で日が変わっても再現性が高く,異なる被験者の間でも再現性が高い時計遺伝子を見いだし,その時計遺伝子をターゲットに来年度は健常被験者数を増やし,気分障害患者の被験者についても検討してゆく予定である.
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