2005 Fiscal Year Annual Research Report
精神生理学的指標を用いた注意欠陥多動性障害の治療反応性予測に関する研究
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16790684
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 俊 京都大学, 医学研究科, 助手 (80335249)
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Keywords | 注意欠陥多動性障害 / 薬物療法 / 治療反応性 / 事象関連電位 / 活動量 / 脳血行動態 / 近赤外線分光法 / 精神生理学 |
Research Abstract |
注意欠陥多動性障害は,多動性,不注意,衝動性といった行動上の特性によって定義づけられる症候群であるが,治療反応性や予後は画一的ではなく,様々な異なる病態が混在しているものと推察されている。本研究では,薬剤による治療反応性と,チェックリストを用いた行動の客観的評価に加え,携帯式行動量測定装置を用いた行動量の測定,さらに近赤外線分光法装置を用いた前頭前野の実行機能課題遂行時の脳血行動態の測定,事象関連電位P300といった精神生理学的指標により,治療反応性の予測を検討する。 本研究の2年目に当たる平成17年度においては,昨年度に作成した治療ガイドラインの臨床的妥当性を検討するため,3年度にわたる京都大学医学部附属病院の児童外来における処方実態を調べ,その結果を学会において発表して検討を加えた。さらに,注意欠陥多動性障害のプロフィールや知能検査などの認知プロフィールの差異と臨床的な処方動向との間にみられる関連性を検証した。さらに,薬物療法のもたらす治療効果と行動療法のもたらす治療効果は,異なるプロフィールを持つことが予測されることから,これらの差異についても検討を加えた。これらの変数を解析に加えることで,よりよい治療効果の判別が可能になるものと示唆された。また,携帯式行動量測定装置を用いた行動量の測定,近赤外線分光法装置を用いた前頭前野の実行機能課題遂行時の脳血行動態の測定,事象関連電位P300の測定を継続し,分析可能な症例数への到達を目指した。
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