2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16790686
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西口 直希 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (10362774)
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Keywords | 自殺 / 気分安定薬 / XBP1 / ATF6 / HSPA5 / バルプロ酸 / リチウム / GSK3β |
Research Abstract |
自殺の生物学的基盤を明らかにすることにより、自殺予防の有効な手段を構築することを目的とし、自殺に関与する遺伝子の同定を試みた。リチウムをはじめとする気分安定薬には、自殺予防効果があることが示されており、自殺に関連する遺伝子として、気分安定薬の作用点に着目した。昨年度に引き続き、バルプロ酸の作用点として知られる小胞体ストレス反応に関与する遺伝子として、XBP1、ATF6遺伝子に加え、HSPA5遺伝子について自殺者との相関研究を行った。HSPA5遺伝子内の多型をマーカーとして、遺伝子多型の分布を自殺者群、対照群で比較したが、有意差を認めず、これらの遺伝子が自殺に関与する可能性は低いと考えられた。リチウムの作用点の一つとして、glycogen synthase kinase 3 β (GSK3β)が知られており、GSK3βはいくつかの細胞内シグナルカスケードや、細胞分化において重要な働きを持っている。そこでGSK3β遺伝子に着目し、自殺のリスクが高いとされる双極性障害者を対象として、相関研究を行った。GSK3β遺伝子内の多型をマーカーとして、多型の分布を双極性障害群、対照群で比較したが、有意差は認めず、GSK3β遺伝子が関与している可能性は低いと考えられた。
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Research Products
(5 results)