2004 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症候補遺伝子産物DISC1のKendrinを介した中心体での機能の解析
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16790689
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三好 耕 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90362996)
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Keywords | 統合失調症 / 精神疾患 / 中心体 / 神経発生 |
Research Abstract |
統合失調症・感情障害と相関する(1;11)(q42.1;q14.3)転座家系の解析により、染色体1上の新規遺伝子DISC1(Disrupted-In-Schizophrenia 1)がこの転座により途切れることが報告された。我々はこの遺伝子がコードするタンパクDISC1の機能解析を行っている。その一環として、酵母2-Hybrid法を用い、DISC1の結合タンパクを検索した。ヒトDISC1(854アミノ酸)のカルボキシ端側507アミノ酸をbaitとしてヒト成人脳cDNAライブラリーをスクリーニングした結果、数個のポジティブクローンが得られた。その1つはcalmodulin結合性中心体タンパクkendrin/pericentrin-Bをコードしていた。DISC1とkendrinとの結合を免疫沈降法により確認し、kendrinとの結合に関与するDISC1の分子内領域を酵母2-Hybridアッセイにより決定した。また、SH-SY5Y細胞およびHeLa細胞内で発現させたGFP標識DISC1の一部がkendrinと中心体において共局在したが、kendrin結合領域を欠くタンパクは細胞質中に瀰漫性に存在した。さらに胎生期マウスのin situ hybridization法による解析では、発達段階にある大脳皮質において、ventricular zoneの増殖神経上皮細胞ではkendrinの発現は低く、intermediate zoneを遊走中の分化期の細胞では発現は高く、cortical plateのMAP2強陽性の成熟神経細胞では発現は低下していた。これらの結果より、kendrinおよびkendrinをその結合因子の1つとするDISC1は、発達期の中枢神経における細胞分化に関与する可能性が示唆された。
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