2004 Fiscal Year Annual Research Report
児童期の注意欠陥/多動性障害(ADHD)の精神医学的併存症と治療反応性
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16790700
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
宮脇 大 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20336788)
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Keywords | ADHD / 併存症 / 構造化面接 / comorbidity |
Research Abstract |
目的:学童期の注意欠陥多動性障害(ADHD)児における併存症とその臨床像を明らかにすること。 対象と方法:大阪市立大学医学部附属病院神経精神科に通院中の6歳以上12歳以下の児童のうち、DSM-IVに基づいてADHDと診断された男児16例、女児4例の計20例を対象とした。併存症はJapanese Version of Schedule for Affective Disorders and Schizophrenia for School-Age Children-Present and Lifetime Version(K-SADS-PL-J)を用いて診断し、臨床面接と質問紙を用いて、その他の情報を収集した。 結果:患児の95%が何らかの併存症を伴い、50%は反抗挑戦性障害、30%はチック障害、30%は特定の恐怖症、20%は遺尿症、15%は行為障害、15%は特定不能の破壊的行動障害、10%は全般性不安障害、10%は強迫性障害、5%は適応障害、5%は分離不安障害のDSM-IV診断基準を満たしていた。気分障害、精神病性障害、遺糞症、摂食障害、物質乱用は認められなかった。不安障害を類型別にみると、暗闇を恐怖の対象とした特定の恐怖症が最も多かった。反抗挑戦性障害または行為障害を併存した男児では、実父と同居していない割合が有意に高かった。 結論:欧米の報告と同様に、学童期のADHD児において併存症が高率に認められ、多様な臨床像が示された。ADHDの併存症と家庭環境を含めた心理社会的因子との関連についてさらなる検討が必要であると示唆された。
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