2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳内アミロイドβ蛋白およびタウ蛋白のPETイメージング技術の開発
Project/Area Number |
16790714
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡村 信行 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40361076)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白 / タウ蛋白 / 老人斑 / 神経原線維変化 / PET / プローブ / イメージング |
Research Abstract |
アルツハイマー病に特徴的な脳病理所見は、アミロイドβ(Aβ)蛋白を構成成分とする老人斑およびタウ蛋白を構成成分とする神経原線維変化の蓄積である。これらの病理像を生体画像化する目的で、Aβおよびタウ蛋白に対する結合親和性に優れたPETプローブを開発し、その適性を評価した。PETプローブの有力候補化合物である2-[2-(2-Dimethylaminothiazol-5-yl)ethenyl]-6-[2-(fluoro)ethoxy]benzoxazole(BF-227)のAβに対する結合親和性をBF-180の^<125>I標識体との結合阻害試験から算出したところ、そのKi値は1.8±0.42nM(Aβ1-40)、4.3±1.5nM(Aβ1-42)であり、Aβに対する高い結合親和性を認めた。またアルツハイマー病脳病理像との結合選択性を評価するため、BF-227の染色像を蛍光顕微鏡で評価した結果、老人斑・神経原線維変化との選択的結合像を確認した。次に、正常マウスにおいてBF-227の^<11>C標識体静注後の脳移行性を評価した。その結果、投与2分後および30分後の脳集積率はそれぞれ7.9±1.3%ID/g、1.4±0.36%ID/gであり、PETプローブとして実用的な脳血液関門透過性とクリアランスを有すると考えられた。さらにアルツハイマー病の動物モデルであるAPPトランスジェニックマウスにBF-227の^<11>C標識体を静注し、投与70分後の脳切片をオートラジオグラフィーで評価した。その結果、大脳皮質や海馬など老人斑の多数蓄積する領域でプローブの集積像を認め、thioflavin-Sで染色される老人斑の分布と一致していた。以上の研究結果から、BF-227はアルツハイマー病における脳病理像を生体イメージングするPETプローブとして優れた特性を有することが確認された。
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Research Products
(6 results)