2004 Fiscal Year Annual Research Report
数値流体解析法による灌流画像の腫瘍血管新生4次元動態解析と治療法選択への応用
Project/Area Number |
16790721
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
植田 琢也 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40361448)
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Keywords | 血流速度 / 核磁気共鳴装置 / 腫瘍診断 / 数式モデル |
Research Abstract |
臨床においる血管新生の解析は進歩しているが、現時点では多くの矛盾点・問題点を有している。この要因の一つは、本来時間的・空間的多様性を持つ腫瘍の血管新生を、静的評価法にて解明しようとする点が挙げられる。本研究は流体系・複雑系について、コンピュータを用いた離散(デジタル)的解析法を利用し、医療分野における4次元画像診断に応用する。すなわち、応用物理学・応用数学の手法を取りいれ、血管新生複雑系の動的環境を解析し、各種の病態診断へと応用する手法を確立することを目的として研究を開始した。 本年度は血管動態解析として、多時相の造影3次元画像検査と血管新生との関連性を評価するため、そのモデル作成と、必要な解析機器環境、およびコンピュータ・プログラムの確立を目指して、以下のことを行った。1.造影剤の血行動態、腫瘍血管新生における血管床、造影剤の血管-腫瘍内移行パラメーターを含んだ複雑系に対して、応用数学的手法を用いてモデル化するため、各種のパラメーターを検討した。2.血管富性腫瘍移植を行った実験動物(うさぎVX2腫瘍)から、データの取得を行った。撮像機器は当院に完備されているGE社製Multidetector-raw CT装置Light Speedを使用した。ヨード造影剤注入下に、多時相における3次元データを連続的に取得し、上記の解析プログラムにて解析を行った。3.乳癌に対するダイナミックMRIデータに本法を応用し、乳癌における造影効果と血管新生との相関に関して解析を行った。4.腎臓癌の造影3次元画像に対し本法を用いた解析を行い、腎臓癌における造影効果と血管新生との解析を行った。次年度は4時元画像診断の実用化を目指して、プログラムの改良を行う予定である。
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