2005 Fiscal Year Annual Research Report
乳腺における非触知石灰化病変の画像診断および術前シミュレーションシステムの開発
Project/Area Number |
16790725
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐竹 弘子 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00324426)
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Keywords | 乳腺 / 石灰化 / マンモグラフィ / 液晶モニタ / CT |
Research Abstract |
平成16年度に行った非触知石灰化病変のマンモグラフィに対する読影実験の結果に対して診断精度、感度、特異度、読影者間の一致度、読影者内の再現性について統計学的解析を行った。ROC解析による診断精度ではフイルムマンモグラフィ読影と高精細液晶モニタ読影の間では有意差は認めなかった。感度については全体に高精細液晶モニタ読影の方が高い傾向ではあったが、フイルム読影との間に有意差は認めなかった。特異度は、読影者によるばらつきがみられたが、フイルム読影と高精細液晶モニタ読影の間には有意差は認めなかった。読影者間の一致度、読影者内の再現性についてもフイルム読影と高精細液晶モニタ読影の間には有意差は認めなかった。生検が必要かどうかの方針判定はカテゴリー判定に比較し、読影者間の一致度が低く、高精細液晶モニタ読影では有意差を認めた。非触知石灰化病変の診断マンモグラフィにおいては、現況、背景に方針の決定や特異度で、読影者間のばらつきを認めるものの、高精細液晶モニタ読影による読影精度の低下はないものと考えられた。一方で、乳癌に対しては、全例でマルチスライスCTを行い、乳房温存術へのシミュレーションに活用した。術後の病理学的結果との対比ではCTによる広がり診断で高いsensitivityが得られた。CTシミュレーションは非触知石灰化乳癌の術前に有用と考えられた。ただし、高分化型の乳癌などCTで偽陰性となる症例を認め、これらについては、CTを駆使しても温存術の計画が困難と思われた。
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