2004 Fiscal Year Annual Research Report
最新型CTを用いた生体肝移植に必要な種々の3次元画像作成用ソフトの研究・開発
Project/Area Number |
16790727
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前谷 洋爾 京都大学, 医学研究科, 助手 (30324619)
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Keywords | 多断面解析ソフト / 肝細胞癌 / 生体肝移植 / DIC-CT |
Research Abstract |
本邦において肝癌に対する生体肝移植が急速に普及しつつある。平成17年からはミラノクライテリアを満たす症例においては保険が適応され、その術前診断は極めて重要である。肝硬変に好発するarterio-portal shuntは画像上しばしば肝癌と鑑別が困難であるが、本研究において、一つの病変を同時に3方向から観察するソフトを開発し、arterio-portal shuntと肝癌の鑑別を試みた。対象は肝癌に対する生体肝移植を受けた患者様で、CTの診断能を摘出肝と対比した。患者数は21名で病変は55個であった。CTのsensitivity及びpositive predictive valueはそれぞれ73%(40/55)、93%(40/43)であった。偽陰性となった病変15結節中10結節は10mm未満の大きさであり、径10mm以上の病変におけるsensitivityは88%であった(36/41)。一方、偽陽性は3つあり、うち1つがCT上で径10mm未満であった。この手法を用いることにより、問題のarterio-portal shuntを肝癌と誤診した症例はゼロであり、非常に有用なソフトと考えられた。以上の研究結果は第12回日本消化器関連学会週間(DDW-Japan 2004)において発表し、さらに症例を蓄積した結果を第64回日本医学放射線学会で発表予定である。 一方、肝臓を提供するドナーにおいては動脈・門脈・肝静脈の脈管系と胆管系の評価が大切である。そして、破格が多く、術後合併症も一番多い胆管系の評価は特に重要である。本研究において胆道を高濃度の描出するDIC-CTを用い、高精細の三次元画像(volume rendering法)を作成し、詳細な術前評価を施行している。本研究に関しては第16回消化器機能画像研究会において教育講演を施行した。
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