2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高磁場臨床用MR装置を用いたダイナミック代謝物測定による脳機能検査法の検討
Project/Area Number |
16790733
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久保 均 徳島大学, 医学部, 助手 (00325292)
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Keywords | 代謝物 / 超高磁場磁気共鳴装置 / ダイナミック測定 |
Research Abstract |
背景:脳内における代謝物サイクルはRothsteinらにより明らかにされているが,脳機能の変化によるこれらの変化を定量することは困難であった.しかし,3T超高磁場MR装置の使用で,時間分解能を向上させた測定が可能となり、fMRIと併用したダイナミックなMRS測定が可能となることが予想される. 目的:超高磁場MR装置を用いて特に時間分解能の向上を図ることにより,1)脳機能による代謝物の動態を信頼性や再現性よく解明し,2)毛細血管床と神経細胞の間で乖離が確認されている代謝物動態の解明を目指した. 方法:1)時間分解能の向上を目的とする,高感度信号測定用検出器の設計と製作を行い,2)信頼性を担保したダイナミックな代謝物変化をとらえるための測定条件および再現性の検討を行った.測定はshort TE法を用い,スペクトルの処理はLCModelを用いた.測定には,GE社製Signa 3.0T VH/iを使用した. 結果:1)7インチサーフェスコイルを作成しファントムにて性能を測定した結果,深さ5cm程度までなら頭部用コイルを上回る感度を確保することができた.2)同意を得たボランティアで飲酒前後のMRS測定を行うことにより,測定条件の検討を行った.その結果,56秒の測定時間でグルタミン化合物のような微量代謝物において1.5Tと同等程度の信頼性を確保した定量測定が可能であることがわかった. 考察:3TMR装置の利用により,1分程度の測定で1.5T装置と同程度の信頼性を持つ定量測定が可能なことが示された.今後は健常人ボランティアおよび症例にこの測定法を適応し,脳機能変化による代謝物サイクル内の変化を捉えることを試みる予定である.
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