2004 Fiscal Year Annual Research Report
多列検出器CTを用いた、微小肺悪性腫瘍の四次元放射線治療システムの開発
Project/Area Number |
16790740
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
川瀬 貴嗣 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80306795)
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Keywords | 多列検出器CT / 画像ガイド下放射線治療 / 四次元放射線治療 / 体幹部定位放射線治療 |
Research Abstract |
微小肺悪性腫瘍の特性として、その呼吸性位置変動が注目されている。呼吸周期に応じて、ほぼ周期的にその位置を変化させることが既知であるが、それが放射線治療の差異の線量分布に与える影響の詳細は明らかでない。肺悪性腫瘍性病変を持つ症例に対し定位的放射線治療計画を行う際のCT撮影時に、多列検出器型CTにより各呼吸時相における腫瘍位置情報を内包する体積データを取得した。また多列検出器幅と同程度の長軸長範囲内の呼吸性変動を示す小腫瘍に対しては、時間軸を変化させたダイナミック体積データを収集した。これらの手法を検討することにより、放射線治療計画システムに供する臨床データ改変の方法論を確立する目的が達成されつつある。またCTで撮影・改変したこれらのデータを、既存の放射線治療計画システム上に仮に転送・解析する手法を試みた。同システムはデータ解析の終末端末として用いるのみであり、実際開発を目指しているシステムはこれらの端末を入出力機器として用いるのみである。 また、これらの呼吸時相毎に治療計画を施行し、これらの相が放射線治療パラメータにいかなる影響を与えうるかを、放射線治療計画システムを用いて算出・検討している。四次元放射線治療の特性として、少なくともその3相の解剖学的変動による照射パラメータ変化を把握する必要が生じうるからである。線量体積ヒストグラムを用いた、臨床標的体積の等線量曲線包含関係の変動を中心として検討を進めている。 また、四次元放射線治療を実現する際、臨床標的体積の設定自体の精度管理が肝要となりうる。治療計画医師毎の臨床標的体積設定の特性を、画像解析的に行うことにより、治療計画者毎の臨床標的体積設定の差異・傾向を精査検討する試みを行っている。
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