2004 Fiscal Year Annual Research Report
MRIと造影剤を用いた脳血流量測定法の確立:PET測定との対比による
Project/Area Number |
16790751
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Research Institution | Research institute for Brain and Blood Vesseis Akita |
Principal Investigator |
茨木 正信 秋田県立脳血管研究センター(研究局), 放射線医学研究部, 研究員 (40360359)
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Keywords | 脳 / MRI / 脳血流量 / 灌流 / PET |
Research Abstract |
MRIとガドリニウム造影剤を用いた脳血流量測定法の確立を目的とし、収集したダイナミックデータから脳血流画像を計算するシステム、および各種誤差要因検討のためのシミュレーターを計算機上に構築した。造影剤の到達遅延が誤差要因となりうることが知られているが、本研究では補正法を提案しシミュレーターを用いて精度評価を行ったところ、典型的なノイズレベルのデータに対して到達遅延効果の補正が可能であることが示された。健常成人を対象として、その定量性がすでに良く知られているPETによる脳血流量とMRIによる脳血流量を同一被験者で比較した。MRI測定では、造影剤ボーラス静注後にgradient-echo EPI法によりデータ収集を行い、デコンボリューション解析から脳血流量を求めた。脳血流量の灰白質-白質比を両手法で比較したところ、MRIにおける造影剤遅延補正をすることにより両者がより近い値を示すことが明らかとなった。また、MRIによる脳血流量測定においては動脈入力関数が適切に測定できていることが前提条件となるが、静注条件を同一にしたPETにおける入力関数と比較検討したところ、形状は比較的良く一致し入力関数測定法の妥当性が確認された。これらは、MRIによる脳血流測定法の妥当性を支持する基礎的な検討結果であるが、MR撮像法も含めた検討が今後の課題として残った。本年度得られた研究成果の一部は、国際磁気共鳴医学会(ISMRM)、日本核医学会、日本磁気共鳴医学会で発表しており、現在論文にまとめているところである。
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