2004 Fiscal Year Annual Research Report
制御性T細胞の養子免疫を柱としたカクテル療法の確立-臓器移植後の免疫寛容を目指して-
Project/Area Number |
16790755
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 淳 京都大学, 医学研究科, 研究員(科学技術振興)(常勤形態) (70372589)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柴 貴明 京都大学, 医学研究科, 研究員(科学技術振興)(常勤形態) (60362521)
|
Keywords | 制御性T細胞 / 免疫寛容 / ヒト |
Research Abstract |
従来、ヒトのCD4陽性CD25陽性制御性T細胞をその免疫抑制能を維持しつつ培養増殖させることは困難であった。細胞分離装置を用いて、ヒトの^*末梢血に存在する細胞を分離し、特定の抗原と培養して、強い抗原特異的免疫制御能を有する、ヒトの制御性T細胞を製造し、高倍率に増殖を可能にした。(^*末梢血;胸腺、臍帯血を除く。) 1)健常人末梢血を用いたCD4陽性CD25陽性制御性T細胞の抗原特異的培養・増殖 健常人の末梢血から、細胞表面抗原CD4・CD25及び第三の表面抗原に対する抗体を用いてCD4陽性CD25陽性細胞中の特定の細胞集団を分離し、HLA(ヒト白血球抗原)の異なる個体から得た単核球を抗原とし、リコンビナントサイトカインの存在下に増殖させる技術を確立した。 2)移植患者の血液を用いたCD4陽性CD25陽性制御性T細胞の抗原特異的培養・増殖 患者とドナーの両方から、肝臓移植の術中出血を無菌的に回収し、1)で確立された手法を用いて、ドナー抗原特異的CD4陽性CD25陽性制御性T細胞の培養・増殖を可能にした。 3)CD4陽性CD25陽性制御性T細胞の抗原特異的培養・増殖の臨床応用の可能性 2)で製造されたCD4陽性CD25陽性制御性T細胞を再度患者に戻すことで、臓器移植後の免疫寛容の誘導が可能になると予想される。また、不妊症の患者の末梢血から同細胞を分離し、患者のパートナーの血球と培養して増殖させた制御性T細胞を患者に戻し、不妊症治療に利用できるかもしれない。制御性T細胞は生体内では生理的に自己免疫疾患の発症の防止に働いている。従って、同方法で増殖させた制御性T細胞は自己免疫疾患の治療に使える可能性がある。また、アレルゲンーとの培養により増殖させれば、アレルギー疾患の治療に使用できる可能性がある。
|
Research Products
(1 results)