2005 Fiscal Year Annual Research Report
制御性T細胞の養子免疫を柱としたカクテル療法の確立臓器移植後の免疫寛容を目指して
Project/Area Number |
16790755
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 淳 京都大学, 医学研究科, 科学技術振興助手 (70372589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柴 貴明 京都大学, 医学研究科, 科学技術振興助教授 (60362521)
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Keywords | 免疫制御 / 免疫寛容 / 移植 / ヒト |
Research Abstract |
ヒト制御性T細胞はこれまでCD4+CD25+Tリンパ球のなかでもメモリー表現系(CD45RA-/CD45RO+)を呈する細胞分画であるとされていた。制御性T細胞は胸腺から末梢へ出て、末梢での免疫制御にかかわっているらしいことがわかっているが、それ自体不応答性の制御性T細胞がどのように増殖するのかは不明であった。われわれは、CD4+CD25+Tリンパ球のなかでメモリー表現系(CD45RA-/CD45RO+)を呈さない分画すなわちCD45RA+/CD45RO-CD4+CD25+Tリンパ球が制御性T細胞のマスター遺伝子であるFOXP3を強発現していることに気付いた。このことから、同細胞分画をIL-2の存在下にアロ抗原で刺激したところ、この抗原特異的に免疫を制御する細胞、すなわち制御性T細胞が製造できることを発見した。この細胞分画は小児に多く、年齢とともに減少し成人では少ない。また、肝臓移植を受けた患者では術後早期に一旦増加してまもなく減少する。このことから、同細胞分画は体内でも抗原の刺激で制御性T細胞へと分化する制御性T細胞の前駆体であると予想される。一方、制御性T細胞そのものはIL-2の存在下にアロ抗原で刺激しても増加しない。したがって、制御性T細胞の前駆体を分離して増殖させることが極めて重要であると考えられる。また、制御性T細胞の前駆体から制御性T細胞を製造する過程でラパマイシンを培養上清に添加すると、制御性T細胞の製造効率が著しく向上することを発見した。このようなわれわれ独自の制御性T細胞の培養技術を大学病院内細胞プロセッシングセンターに移行して制御性T細胞細胞養子免疫の臨床応用する準備を開始予定である。 制御性T細胞の培養法に関しては大学帰属で昨年出願を済ませ、今年4月にはJSTの支援を受けPCT出願の予定である。
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[Journal Article] Proinflammatory and antiinflammatory cytokine production during ischemia-reperfusion injury in a case of identical twin living donor liver transplantation using no immunosuppression.2005
Author(s)
Zhao X, Koshiba T, Fujimoto Y, Pirenne J, Yoshizawa A, Ito T, Kamei H, Jobara K, Ogawa K, Uryuhara K, Takada Y, Tanaka K.
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Journal Title
Transplant Proc 37
Pages: 392-394
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