2004 Fiscal Year Annual Research Report
肝移植におけるSplit-Toleranceの機序解明に関する研究
Project/Area Number |
16790757
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉住 朋晴 九州大学, 大学病院, 助手 (80363373)
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Keywords | 肝移植 / 免疫寛容 / Split tolerance / マウス肝移植 / 免疫抑制剤 / 皮膚移植 / 急性拒絶反応 / 慢性拒絶反応 |
Research Abstract |
平成16年度においてマウス肝移植においてSplit toleranceがどのように生じているのかをまず明らかにするためにマウス肝移植の実験系を立ち上げることを目標とし、達成した。 マウス肝移植の実験系の確立 マウス肝移植は1991年にピッツバーグ大学のStarzlのもとでQianが確立したもので、その手法は顕微鏡下に体重が約25〜30gのマウスの肝臓をカフ法という特殊な吻合方法を用い、肝下部下大静脈、門脈の吻合を行い、また肝上部の下大静脈を10-0 Nylonを用い同所性に移植するというものだが、この手法を用いた実験の報告がされているのは、世界で5施設に過ぎない。そこでこのマウス肝移植の手法を同種同系のマウスモデルでまず確立し、この手法をより困難な同種異系に応用するまでの手法を確立した。 【I.マウス肝移植の手技の確立】 1.マウス肝移植の実験系の確立 B10.BRマウス同士のSyngenic combination(同種同系の組み合わせ)で肝移植を行った。現在365日以上の生存を得られるまでに手技を確立した。 2.マウス皮膚移植の実験系の確立 免疫抑制剤であるFK506:5mg/kgの連日腹腔内投与によって、同種異系拒絶モデルで皮膚グラフトの生着をさせる手技を確立した。 【II.同種異系マウス肝移植の施行によるSplit-toleranceの機序について】 25〜30g(10〜12週齢)のMale miceでドナーB10.BR(H2^k)マウス→レシピエントB10.D2(H2^d)マウスの肝移植を施行した。上記と同様に現在365日以上の生存を得られるまでに手技を確立した。 このように当初の目的であるマウス肝移植の実験系を立ち上げることを平成16年度内に確立することが出来た。 平成17年度においてSplit toleranceの機序の解明の実験を施行する予定である。
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