2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄細胞を播種した生体吸収性ポリマーによる人工門脈、人工下大静脈の開発
Project/Area Number |
16790758
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
鳥井 孝宏 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50364774)
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Keywords | 人工血管 / 静脈パッチ / Tissue engineering / 人工静脈 |
Research Abstract |
肝胆膵の手術において、癌が門脈、下大静脈に浸潤している場合、現在は門脈、下大静脈の合併切除後、腎静脈、外腸骨静脈、大伏在静脈等を門脈、下大静脈のパッチとして使用している。しかし、この場合、静脈採取に時間を要したり、あるいは十分な静脈が採取できないことがある。また、ポリテトラフルオロエチレンの生体内非吸収性素材をパッチとして用いるが、消化器外科の手術野はある程度汚染野であるため、感染が原因でこのパッチが閉塞、破綻をきたしたり、またこの材質自体が硬く、縫合しにくいという欠点がある。そこで、本研究の目的は、肝胆膵手術、あいは肝移植において利用可能となるような門脈、下大静脈パッチを開発することにある。この目的達成のため、2年計画で生体吸収性ポリマーで作製したパッチにおいて、パッチ内腔への細胞播種は必要か否かを検討し、大動物による実験において最もよい生体適合性ポリマーの条件、および移植条件を決定し、ヒトでの臨床応用の前段階までは開発を進めたいと考えている。 現在、骨髄細胞を播種せず検討行っているが、結果は良好であり、パッチは門脈、下大静脈とも3ヶ月後には、nativeの血管と同様のものが作製された。臨床的にも狭窄はなく、現在さらに、詳細に組織学的に血管再生に関して検討している。
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