2005 Fiscal Year Annual Research Report
EGF結合パクリタキセル封入ナノ粒子による抗腫瘍効果の増強
Project/Area Number |
16790760
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
嶋田 俊之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80342658)
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Keywords | EGF / MPCポリマー / paclitaxel / ターゲッティング療法 |
Research Abstract |
乳癌細胞株(BT-20)、扁平上皮癌細胞株(A431)、肺小細胞癌株(H69)に対するEGF結合paclitaxel (PTX)封入MPCポリマーの殺細胞効果をMTT assayを用いてEGF非結合のMPCポリマーと比較検討した。EGFR過剰発現扁平上皮癌細胞株であるA431に対するinhibition rateは、EGF結合PTX封入MPCポリマー群で84.1%、EGF非結合PTX封入MPCポリマー群で30.2%であり、EGFを結合させた群で有意に殺細胞効果が高かった(p<0.05)。またEGFR過剰発現乳癌細胞株であるBT-20においても、EGF結合PTX封入MPCポリマー群と非結合群でのinhibition rateはそれぞれ51.1%、40.1%でEGF結合群において有意に高かった(p<0.05)。一方、EGFR低発現細胞株であるH69においては両群間で殺細胞効果に有意差は認めなかった。A431は、EGFの存在下で殺細胞効果を認めたため、EGF結合PTX封入MPCポリマーの殺細胞効果が、EGFとPTXによる相加効果にすぎないのか、相乗効果であるかの判定を二元配置分散分析法で行った結果、相乗効果であった。以上より、EGFR過剰発現株において、EGF結合PTX封入MPCポリマーによる殺細胞効果の増加を認めたことになる。動物実験においては、(1)PTX封入MPCポリマー(2)EGF結合PTX封入MPCポリマー、(3)生食、(4)従来のPTXの4つの群に分け、抗腫瘍効果の違いを検討した。PTX濃度は15mg/kg、投与経路は腹腔内投与で5日間連続投与とした。試薬投与後21日目における抗腫瘍効果は、EGF結合PTX封入MPCポリマー群がPTX封入MPCポリマー群に比して有意に高かった(p<0.05)が、生存期間には有意差を認めなかった。いずれの群においても体重減少などの副作用は認めなかった。
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