2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌における新規メチル化領域の網羅的検索と癌関連遺伝子の同定
Project/Area Number |
16790795
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
横井 左奈 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (30372452)
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Keywords | 肺癌 / メチル化 / ゲノムアレイ / MCA法 |
Research Abstract |
CGH法を用いた肺癌のゲノム構造異常の網羅的解析から、遺伝子増幅に伴う発現亢進を示すSKP2を見出した。非小細胞肺癌臨床検体において、SKP2は腫瘍部特異的に高値を示した。リンパ節転移陽性の症例は、SKP2発現高値群に有意に多く認められ、アンチセンス・オリゴにより肺癌細胞の遊走能、浸潤能は抑制されることを報告した(2004 AJP)。 更に高精度、高密度に肺癌のゲノム異常を解析するために、RP11ライブラリーのBACクローンからDNAを抽出し、制限酵素切断とアダプター接着による無尽化処理の後、アダプターPCR法にて増幅し、アレイにスポッティングして、(1)全染色体を1Mb間隔以下にカバーする約4,500個のBACを配置したアレイ、(2)1p36領域を間断なくカバーしたアレイ、(3)約800種類の癌関連遺伝子に特化したアレイを作製した。 既に確立されているMCA(methylated CpG island amplification)法に基づき、肺癌細胞株LK79のDNAをSmaIにて消化し、次にXmaIで消化した。この平滑末端にアダプターを接着し、アダプターPCR法にて増幅した。これをCy3またはCy5で標識し、上記アレイにハイブリダイゼーションした。その結果、既知のメチル化遺伝子であるMINT26を含むスポットを陽性に検出することができ、BAC array-based MCA(BAMCA)法を標準化することに成功した。 このBAMCA法を用いて細胞株のスクリーニングを開始している。また検出された陽性スポットの中から、特異的にメチル化されている領域を効率よく絞り込む方法として、メチル化DNA結合蛋白質であるMeCP2の抗体を用いたクロマチン免疫沈降法を行い、回収されたゲノム断片をアレイにハイブリダイゼーションする検討を行っている。 以上より、初期の研究目的は達成されたと考える。
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